「マイホームの壁紙は、調湿効果のある自然素材にこだわりたい」
「でも、珪藻土や漆喰は費用が高そうだし、お手入れが難しそう……」
そんな方におすすめしたいのが、卵の殻をリサイクルして作られた次世代のエコ壁紙「エッグウォール(日本エムテクス社)」です。
一見するとシンプルな塗り壁調の壁紙ですが、実は日本の住まいを快適にする驚きの機能が隠されています。今回は、メーカーの公式エビデンスデータを交えながら、エッグウォールのメリット・デメリット、そして気になるメンテナンス方法までプロの視点で徹底解説します。
そもそも「エッグウォール」とは?
エッグウォールは、キユーピーグループなどの食品工場から排出される「卵の殻(卵殻)」を再利用して作られた環境配慮型の壁紙です。
マヨネーズなどの製造過程で毎日大量に出る卵の殻を細かく粉砕し、吸放湿性のある紙(調湿ペーパー)と組み合わせることで、100%リサイクル可能なバイオマス建材として生まれ変わりました。
最大の特徴は、卵の殻が本来持っている「多孔質(たこうしつ)」という構造にあります。
エビデンスで見る!エッグウォールの4つのメリット
エッグウォールがこれほど注目されている理由は、自然素材ならではの優れた機能性にあります。その実力を具体的な数値(エビデンス)とともに見ていきましょう。
① 圧倒的な調湿性能(部屋全体で1L以上の吸放湿)
卵の殻には、ヒヨコが卵の中で呼吸できるように、1個あたり約7,000〜17,000個もの微細な穴(気孔)が開いています。この穴が湿気をコントロールする役割を果たします。
- エビデンス数値:
エッグウォールを1部屋(壁面積約30㎡・およそ6畳間の壁と天井)に施工した場合、部屋全体で約0.9L〜1.9Lもの水分を吸放湿します。
これは実に「ペットボトル約2本分」の湿気を壁が勝手に吸ったり吐いたりしてくれる計算になります。梅雨のジメジメや冬の結露、クローゼットのカビ対策に絶大な効果を発揮します。
② 生活臭をリセットする強力な消臭効果
タバコやペットのニオイなど、住まいの不快なニオイの元を卵殻の微細な穴がキャッチして吸着します。トイレやLDK、ペットと暮らすお部屋に最適です。
③ シックハウス症候群にも安心(最高ランク F☆☆☆☆)
エッグウォールは化学物質を含まない天然由来の成分で作られているため、有害な揮発性有機化合物(VOC)を発散しません。
もちろん、国土交通省の定める最高ランクである「F☆☆☆☆(エフ・フォースター)」を取得しています。アレルギー体質の方や、小さなお子様・ペットがいるご家庭でも安心して採用いただけます。
④ 光を優しく拡散する、塗り壁のような美しい質感
ビニールクロス特有のテカテカした質感がなく、マットで温かみのある風合いが魅力です。外からの陽の光や間接照明の明かりを柔らかく拡散してくれるため、空間全体が上質で落ち着いた雰囲気に仕上がります。
採用前に知っておきたい!3つのデメリットと対策
非常に優秀なエッグウォールですが、自然素材ゆえのデリケートな一面(デメリット)もあります。後悔しないために、以下の特徴を必ず頭に入れておきましょう。
① 表面の粒子が削れやすい
エッグウォールはベースの紙の上に卵殻の粒をのせているため、家具を強くぶつけたり、ペットが爪で引っ掻いたりすると、表面の粒がポロポロと削れて傷がつくことがあります。
【プロのアドバイス】
もし傷がついてしまっても、ビニールクロスのようには剥がれません。削れた部分は、専用の「補修用チョーク」を塗り込んだり、上から同成分の液状塗料(エッグペイント)をポンポンと部分塗りするだけで、DIYで簡単に目立たなく補修が可能です。
② 水拭きができない(水回りは製品選びに注意)
高い吸水性を持つため、醤油やコーヒー、泥水などの液体汚れが付着すると、すぐに染み込んでシミになってしまいます。また、激しい水拭きはヨレや剥がれの原因になります。
【プロのアドバイス】
基本的には水回りを避けての施工が推奨されますが、どうしてもトイレや洗面所に使いたい場合は、撥水性能を高めた仕様の「エッグウォール ライト」などのシリーズを選ぶことで対応可能です。
③ 経年変化で「継ぎ目(ジョイント)」が見えやすい
エッグウォールは、室内の湿気の状態に合わせて壁紙自体が伸び縮みを繰り返します。そのため、新築から数年経つと、壁紙と壁紙の継ぎ目(ジョイント)がわずかに開いて線が見えてくることがあります。これは製品の異常ではなく、自然素材が呼吸している証拠です。
まとめ:エッグウォールはこんな人におすすめ!
卵の殻という身近な素材から生まれたエッグウォールは、人にも地球にも優しいサステナブルな壁紙です。
- LDKなど、家族が長く過ごす場所の空気をキレイに保ちたい
- 室内干し(部屋干し)が多く、湿気や生乾き臭に悩んでいる
- ビニールクロスにはない、塗り壁のようなナチュラルなインテリアが好き
このような要望をお持ちであれば、エッグウォールは間違いなく大満足できる選択肢になります。機能性とデザイン性を両立した快適な空間づくりに、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
*最後に私の現場でも数件の新築住宅でエッグウォールを施工しました。感想と注意点としては以下の通りです。
①材料が固く乾きやすく、表面の卵の殻部分が剥離しやすいため施工が難しいです。腕の良い職人さんに丁寧に施工してもらう必要があります。また施工日数はビニールクロスと比較して1.5倍程度かかります。
②下地は比較的拾いやすい印象です。下地処理は丁寧に行う必要があります。
③仕上がりの印象は珪藻土クロスに近いと思います。珪藻土クロス同様に汚れと傷には注意が必要です。補修用にチョークも発売されていますし、どうしても気になる場合はある程度範囲を決めて職人さんに張り替えてもらうことも可能です。
参考にしてみて下さい!




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